金融業界向けソリューション
銀行、証券、保険、そしてFintech。
金融サービスにおいて、Webサイトやアプリの「遅延」は顧客の離脱を、「ダウンタイム」は信用の失墜を、「なりすまし」は資産の喪失を意味します。
Spelldataは、金融機関に求められる高い可用性とセキュリティ基準を、統計的品質管理と実測データで満たします。
各技術が「何を防ぎ、何を防がないか」を仕様の原典に基づいて明示し、その上で複数の層を組み合わせて全体の防御を構成するのが、私達の提案の特徴です。
金融機関に求められる基準への対応
金融機関のシステム調達では、FISC「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準」および金融庁「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン」(2024年10月策定、2025年7月一部改正)への対応が前提となります。
Spelldataは、ご提案の際に、各ソリューションがこれらの基準のどの統制項目(サイバー攻撃対策、システム監視、外部委託管理、顧客保護など)に対応するかを整理してお示しし、貴社のリスク評価・監査対応を支援します。
導入支援・技術サポートはすべて国内で内製し、再委託を行わないため、外部委託先管理の観点でも評価が容易です。
6つの防御層
メールの入口からネットワークの深部まで、6つの層で金融インフラを防御します。
第1層:なりすましメールの遮断(DMARC / BIMI)
金融機関を騙るフィッシングメールは後を絶ちません。
「気をつけてください」という注意喚起だけでは、顧客の資産を守ることはできません。
技術的に「偽物を届かなくする」対策が必要です。
MailData (PowerDMARC)により、DMARCポリシーの「p=reject(拒否)」への移行を支援します。
DMARC(RFC 9989、2026年5月に旧RFC 7489を置き換えた最新仕様)は、貴社の正規ドメインおよびそのサブドメインを直接騙るなりすましメールを認証で判別し、受信箱に届く前に排除します。
一方、仕様上、類似ドメイン(cousin domain)や表示名の偽装はDMARCの対象外です。
そこでBIMIとVMC(認証マーク証明書)を組み合わせ、GmailやApple Mailなどの対応環境で正規メールにのみブランドロゴを表示させ、顧客が正規メールを視覚的に識別できる手段を提供します。
第2層:TLS証明書「47日ルール」への対応(証明書管理の自動化)
TLS証明書の手動運用は、2029年に破綻します。
CA/Browser Forumの決定(Ballot SC-081)により、証明書の最大有効期間は2026年3月から200日、2027年3月から100日、2029年3月15日以降は47日へと段階的に短縮されます。
ドメイン認証情報の再利用期間も最終的に10日まで短縮されるため、47日時代には証明書1枚あたり年8回前後の更新が必要になります。
本体サイト、インターネットバンキング、API基盤、グループ会社と、金融機関が管理する証明書は多数にのぼり、更新漏れの1枚が顧客向けサービスの停止、ひいては障害報告の対象として表面化します。
世界標準のDigiCertにより、ACMEによる発行・更新の自動化と、棚卸し・期限監視を含む証明書ライフサイクル管理を導入し、短縮スケジュールに耐える運用体制を構築します。
OV/EV証明書は、厳格な審査により「そのドメインを運営する組織の実在」を第三者機関として認証し、鍵マークだけでは判別できない偽サイトとの差別化に寄与します。
証明書の透明性(Certificate Transparency)ログの監視と組み合わせることで、貴社ドメインを対象とした証明書の不正発行も検知できます。
BIMIに必要なVMC(認証マーク証明書)の発行にも対応し、第1層のブランド保護と連動します。
第3層:公開サイトのDDoS防御とDNSの保護
インターネットバンキングのログインページなど、不特定多数の顧客がアクセスする公開サイトは、第6層の隠蔽化では守れません。
公開資産には、エッジネットワークでの攻撃吸収と、名前解決の保護が必要です。
CloudflareとGcoreの大規模エッジネットワークで悪意あるトラフィックを吸収し、攻撃を受けている最中でもサービスを継続させます。
DNSSEC(RFC 4033~RFC 4035)によりDNS応答に電子署名を付与し、検証を行うリゾルバーを経由した名前解決で、応答の改ざんを検出できるようにします。
DNSSECが提供するのはDNSデータの出所認証と完全性保証であり、DoS対策や通信の秘匿は提供しません。
レジストラ経由のドメイン乗っ取りに対しては、レジストリロックの併用を提案します。
第4層:実ユーザー視点の品質監視
「データセンターの監視モニターは正常だが、顧客からは繋がらない」。
このような乖離は、ISPやキャリア網の障害で頻繁に起こります。
インターネットバンキングやトレーディングアプリにおいて、この検知の遅れは致命的です。
SpeedDataは、全国7都市(札幌・仙台・新潟・東京・名古屋・大阪・福岡)の計測センターから、実際のユーザーが使う回線(NTT/KDDIの固定回線、4キャリアの5G回線)で24時間365日計測します。
データセンター内部からではなく、顧客と同じ経路で観測するため、キャリア網やISPに起因する障害も検知できます。
計測値は平均値ではなくパーセンタイルで管理し、遅延の分布と外れ値を統計的に分析することで、一時的な揺らぎと恒常的な品質劣化を切り分けます。
顧客が気づく前に障害を検知し、問い合わせが殺到する前に対処する「先回り」の運用を実現します。
万一の障害時には、利用者側から見た影響の範囲と継続時間を第三者検証可能な実測データで示せるため、監督当局への障害報告や顧客への説明の際の裏付け資料として活用できます。
第5層:表示速度のSLA保証(Web高速化)
残高照会、取引画面、ログイン。
金融サービスの画面遷移の遅延は、取引機会の喪失と顧客離脱に直結します。
「速くなったはず」という感覚ではなく、計測データで保証された速度が必要です。
PerfDataは、サーバの計算処理、ネットワーク処理、フロントエンド処理まで包括し、全体最適化でWebサイトやWebアプリケーションを高速化します。
中核となるのは計算処理の高速化です。
計算量の削減、計算処理の並列化、処理順序の変更によって計算待ち時間そのものを減らすため、設定変更にとどまる一般的な高速化とは到達点が異なります。
表示開始0.5秒以内、表示完了1秒以内を98パーセンタイルで達成し、この品質を契約上のSLAとして保証します。
達成状況は第4層の実測データで継続的に検証するため、導入後の品質劣化も見逃しません。
第6層:非公開システムの隠蔽化(攻撃対象領域の最小化)
行内システム、ディーリングシステム、B2B決済ゲートウェイなど、利用者を特定できるシステムは、そもそもインターネットに公開する必要がありません。
外部に公開しない資産は、外部からの直接攻撃の対象から外れます。
Tailscaleを導入し、外部へのポート開放を不要にします。
認証されたデバイス以外からはサービスに到達できず、ポートスキャンでも発見されないため、攻撃対象領域を大幅に縮小します。
第3層のエッジ防御と組み合わせることで、「公開資産はエッジで吸収し、非公開資産は隠蔽する」という二層の防御を構成します。
金融機関での導入実績
Spelldataは、大手企業を中心に350社以上へサービスを提供してきました。
そのうち、金融機関のご契約実績は39社です(2026年8月1日時点)。
業態別の内訳は以下の通りです。
- 銀行・信用金庫
- 14社
- 保険(生命保険・損害保険・少額短期保険・保険持株会社)
- 9社
- 証券・資産運用・短資
- 8社
- クレジットカード・リース・消費者金融
- 8社
金融機関で一番ご導入頂いているサービスは、DMARC分析サービスの「MailData」です。
早期にp=rejectを達成し、BIMI・VMCの実装まで到達した支援実績を多数持つことが、弊社の強みです。
その次に、TailscaleやGcore Managed DNSなどを導入頂いております。
DMARC対応は「推奨」から「規制対応」へ
金融庁はサイバーセキュリティガイドラインの一部改正(2025年7月)でフィッシング対策の強化を求め、監督指針にも改正の動きがあります。
総務省は「フィッシングメール対策の強化に関する要請」(2025年9月)で、電気通信事業者に対してDMARCの導入とポリシー設定(隔離・拒否)、BIMI等の更なる対策の検討を求めました。
受信側のメールインフラがDMARCポリシーに基づく排除へと動いている以上、送信側である金融機関の認証整備は待ったなしです。
そして、BIMIでブランドロゴを表示するには、DMARCを強制ポリシー(quarantineまたはreject)まで引き上げることが仕様上の要件です。
なりすましメールを受信箱に届けない実効性を持つのはp=rejectであり、BIMIを見据えるなら、p=rejectへの移行は避けて通れません。
DMARC分析は、DNSレコードと受信側から届くレポートの分析で完結します。
貴社システムの内部構成に触れず、既存ベンダーとの契約関係にも影響しないため、単独のサービスとして契約できます。
まずはDMARC分析から、弊社の実力を確認してください。